IT業界は男社会と思われてきたが、近年では女性の就労も目立つ。経済産業省が発表した報告によると、IT業界全体では4人に1人が女性となっているようだ。また、給料の面でも、女性のエンジニアの平均年収は400万円前後と、男性と比較しても遜色ない。
IT業界で多くの女性が働くようになっている背景には、IT業界の人材不足が関係している。また、実力主義の業界であるため、性別や年齢で判断されることがない点も、女性に有利に働いている。結婚や出産などで一度離職しても、いろいろな雇用形態で働くことができるので、キャリアを継続したり、ブランクがあっても復帰しやすいようだ。
IT業界で女性が活躍している要因として、働く環境も影響している。まず、IT業界の仕事の多くは、肉体労働がない。基本的にパソコンがあればできる仕事が多く、体力的にきついということはないだろう。納期までに仕事を仕上げる必要はあるが、時間の使い方が比較的自由であることも、家庭内の責任が増す女性が活躍できる理由と言えるだろう。
IT業界は、実は女性の資質を発揮できる仕事が多い。ち密さや丁寧に仕事をすること、マルチタスクで気を配りながら業務を進めることなどは、男性に比べて女性の方が優れている場合が多い。日本政府がデジタル分野で働く女性の人材育成を進めていることも、活躍のチャンスを広げている。とはいえ、IT業界の女性の転職や入職率は、どの年代においても男性より高くなっている。女性が活躍する場は広がっているものの、ライフステージの変化に合わせて仕事をしづらい状況がまだまだ残っているといえるだろう。